祭りの後で

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アメリカにて、バーニングマンの祭典を終え、僕らはリノの街に戻ってきた。
街の明かりがまぶしい。

じゅんこさんとマイケルと落ち合い、車の掃除を終え、リノの隣街のタホへと僕らは向かった。
タホは、日本の軽井沢のような場所で多くの家々が悠然と並ぶ。道を覆い被すような緑が、僕らの体の隅々を癒す。
30分程車を走らせ、僕らは家に到着した。

湖の真ん前だった。

目の前に、広大なタホ湖を贅沢なまでに眺める事ができる家。
湖の音が心地いい。

「私は、水が好き。止めどなく動き続ける湖はいつまでも見ていられる」
湘南に住んでいる友人は、遠くを眺めながら呟いた。

僕らは、シャワーを借り、1週間分の汚れを落とした。
これで、一旦は砂漠の体とはお別れ。

家で、じゅんこさんがおにぎりを作って下さった。
のりと鰹節の匂いが美味しい。

湖を眺め、愛犬と戯れながら、僕らは、ワイングラスを傾けた。
4人で円卓を囲んでいる様子が何だか家族の様で、不思議な気分になった。

日が暮れ、僕らはメキシコ料理屋さんへと向かった。
なんでも、ここの店員さんの結婚式に行った事がある、じゅんこさんとマイケルさん。
行きつけのお店らしく、とてもアットホームな雰囲気に包まれながら、僕らは食事した。

「お2人で海外には行かれるんですか」
「よく行くわ。この人の仕事の関係であちこちと。」
「最初に行ったのは、イスタンブールだったんですけど、
イスタンブールにある、アナソフィア(※有名な博物館)に2人で並んでいた際、
目の前の人がターキーのお金が無くて、入れず困っていたの。
その時、マイケルがすっと彼にお金を渡し、
”これで入りなさい”と言ったんです。
その行動を見て、私はこの人は信用できると思ったの」

じゅんこさんは嬉しそうに、当時のエピソードを語ってくれた。
国境を超え一緒にいる2人を、マルガリータを飲みながら僕は羨ましく眺めた。

家に戻り、僕らはお互い日記を書き、ベットに入った。

「今日が最後のアメリカ。もう2,3年アメリカにいたい気持ちと日本に帰りたい気持ちと
半分半分」
と友人が呟く。

僕らは、丁度バトンタッチをするかのようだった。

僕は、旅の最初をバーニングマンに。
友人は、留学と旅の最後をバーニングマンに。

これから始まる人と、これで終わりの人。

世の中は、多くの終わりと多くの始まりを持っている。

外の湖の静かな波の音を聞きながら、僕らは眠りに落ちた。


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