ルアンパバーン

ラオラオとは、ラオスの有名な地酒らしく、アルコール度数は50度程。
昨日、松之助はこの酒が原因で記憶を飛ばしたらしい。なんでも、このラオスの地ではポリバケツみたいのものに入っているらしい。

「また、やつらがおる」
松之助は昨日絡んだラオス人を発見し、彼らに近づいていく。
男5人で、きたないテーブルを囲い、何かを飲んでいる。

「あれが、ラオラオや」
彼らと目が会った。そして、男達が僕らを手招きする。
既に目が据わっている。午後3時。

僕らは、座るなりショットグラスに透明な液体を注がれる。
【世の中で透明な液体は非常に危険である。】
これは、僕が大学時代に学んだ事だ。

【透明な液体は匂いを嗅いではいけない。
匂いはグラスからお前を遠ざけるが、目の前のグラスを避ける事は出来ない。】
これも大学で学んだ。

その禁忌事項を犯し、匂いを嗅いだ。

ガソリンのような匂いがする。

一瞬どころか、数秒これが飲み物かどうか疑った。
果物の王様ドリアンも匂いは強烈だ。ただ、味が奴を王様にしている。

5人の男は、じっと僕らを見つめる。
前門にラオス人5人。後門には、僕のプライド。

腕を曲げ、口の中に注ぎ込む。

まずい。
言葉にし辛いが、まずい。
田畑で、水の変わりにラオラオをまいたら、世の中の果物の全てが腐る気がする。世の中の終末を容易に想像できる味だった。

これをラオス人は飲んでいるのかと思うと、少し頭が痛い。
なぜか松之助もラオラオが好きなようだったので、同様疑いの目を向けた。

この5人の集団は、僕がルアンパバーンに滞在している間中、ずっと同じ場所でラオラオを飲み続けていた。ラオラオの地縛霊だったのかもしれない。

ラオスを散歩していると、女の人が働いていて、男があまり仕事をしないと行った印象を受けた。その最たる例が、こちらのラオラオの地縛霊達である。

夜は、ナイトマーケットの近くで10,000キープ※約100円で一皿に好きな料理をもり放題のお店で食し、アジアで最も美味しいとされるBeerLaoを飲んだ。
あいつと違って、本当に美味しい。ありがとう。BeerLao。
感謝をしながら、宿に戻った。

朝方、一人だった、僕のドミトリーがそっと開いた。部屋に全身入れ墨が入った男と、パーマで顔が見えなくなった女が一緒が入って来た。3人用のドミトリーなので、逃げ場は無い僕は、必ず挨拶をしなくてはいけない。朝、ベットの中でずっと寝たふりをしていた。この2人も来てからずっと寝ている。旅での疲れなのか、別の事で疲れているのか。

また、新しい一日が始まる。


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